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セミナー「地方自治と図書館」(日比谷カレッジ)

2017/3/13(月)

本日も帰りに日比谷図書館に寄って、19時からのイブニングセミナー。今日こそ御茶ノ水から日比谷まで歩いて、交通費を節約じゃ。と思って歩き始めたら、前回同様に雨が降ってきた。今日は意地でも歩くぞ、と傘をさす。最近は雨男も鳴りをひそめていたのに(泣)。

地下のホールに行くと、入口で呼び止められる。あれ。何でここに。何と元リブロのKさんだ。今は日比谷図書館で働いている、と。へ~。今日のお題は「地方自治と図書館」。前回の「東京駅」は趣味の研究領域。でも今日は、自分の本業に近い。業界関係者が沢山。

講師は『地方自治と図書館』の共著者である片山善博と糸賀雅児の二人。二人とも今は慶應大学の教授なんですね。もうすぐ定年で辞めると言っていたけど。まずは元鳥取県知事で、総務大臣もやった片山さんが「図書館から地方自治を考える」と題したミニ講演。

「図書館の病理」は「地方自治の病理」の縮図だ、と。まず「財政」では、「人件費」といったソフト事業は軽視され、建設・工事といったハード事業が重視されてしまう。これは戦後復興の時の指針を惰性でやり続けているから。だから図書予算とか司書は、すぐ削られる。

それで総務大臣の時に「光をそそぐ交付金」をやった。従来のハード偏重の公共事業対策ではなく、ソフト事業でもマクロ経済に好影響を及ぼす事ができるかにチャレンジ。へ~。あの交付金は、そんな思いだったのか。出版・図書館業界は大いに恩恵を受けたけどね。

続いて「議会」の機能不全に言及。日本には地方自治への住民の参画手段がない。だから民意を聞かずに、宮崎県のようにいきなり図書予算35%カットといった予算案が出る。アメリカ・シアトルでは民意で「図書館のために期限付き増税」とかが決まる。などなど。

最後にあらためて、日本の地方自治の改善すべき点が、図書館によく表れている、と締めくくる。直接話を聞くのは初めてだけど、この人分かりやすい話をするなぁ。続いて、今度は糸賀さんも、同じく20分の講演。

「地方自治から図書館を考える」と対抗(笑)。公共図書館は地域の情報拠点として「まちづくり」「生涯学習」「地方自治」「情報社会」に貢献していると全体像を整理。その上で「住民自治」と「団体自治」の違いを説明。ここは、ちと難しいぞ。

そして地方自治法から図書館法を考えると、図書館は「公の施設」であり「社会教育機関」だと。最近よく聞く「100条委員会」。地方自治法第100条は「調査のための条文」なんだ。だから同じ条文で「行政刊行物の送付と議会図書館での保管」を義務付けている、と。

最後は文部科学省の神代浩をコーディネータに、鼎談。「今後の図書館・司書の在り方を問う」と題して、①「知の拠点」として機能するために ②図書館の持続的運営のために ③図書館を支える人材の育成について の3点でパネル・ディスカッション。

図書館を「貸出冊数」「来館者数」で評価せず、「地域資料収集・提供」などを通じた「地域貢献」などで評価すべきだと。でも政治的にはバックの業界の力で、出版業界は土木業界に勝てない、という話には笑うしかない。本当は国民のリテラシーの問題なんだけどね。

図書館運営の「指定管理者制度」では意見が分かれる。片山さんは「指定管理は図書館には馴染まない」という前からの持論を展開。一方糸賀さんは「理想はそうだけど、現実的には指定管理の質を上げていく方向もないと運営を持続できない」と現実派。

最後の人材の話は、結局は「図書館の在り方」そのものに直結している。「知の拠点」としての図書館を維持していくのか、「マンガ喫茶のビジネスモデル」みたいな「賑わい空間」を求めるのか。この選択は「住民のリテラシー」の問題。

この在り方にもよるが、結局はそれを支える自治体職員としての図書館司書のレベルアップと継承は不可欠だという事だ。いや~。いろいろ示唆に富んだ話が聞けた。時間をオーヴァして、終わったら21時近く。この世界も、まだまだ奥が深い。。。

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