« 神奈川に遠征 大和「一丁目酒場」 | トップページ | 名古屋は暑かった! 【行きの酔っ払い篇】  »

対談「ポスト資本主義と建築」(安与ホール)

2017/8/22(火)

経済学系の新書では異例のベストセラーになった『資本主義の終焉と歴史の危機』。著者で経済学者の水野和夫と、建築家の伊東豊雄の対談がある、と。しかも司会は、かの五十嵐太郎。皆さん、自分のストライクゾーンだな。これは参加するしかないでしょ。

会場は新宿駅東口の安与ホール。駅のすぐ隣のビルだ。この辺りのビルは、飲み屋にしか来たことがないな。よく見れば、変わったデザインのビルだ。エレベータで7階へ。60人程の会場は満員の盛況。19時にスタート。

Dscn3667 Dscn3669

まず水野和夫が基調スピーチ。有り体に言えば「成長するメカニズムがなくなった今、頑張るのはやめましょう」。近代社会・資本主義の要件だった「より早く、より遠くへ、より合理的に」が成立しない世界。基本的には著書での主張通り。

これを受けて伊東豊雄は、水野和夫を引用しつつ「資本主義は基本的にモノの売買だったのが、ヴァーチャルな取引に変わっていった。モノを介さない取引が建築にも大きな影響を与えた」。結果として「都市」「東京」が、特にこの20年つまらなくなった。

そして二人の会話のキャッチボールで、「成長」「フロンティア開拓」の限界を踏まえて、「中世」から「近世」への変化を超え、今は更に「新しい中世」に向かっているのでは。「新しい中世」をポジティブにとらえ、その世界をどう作っていくかを皆で考えないと。ふむ、成程。

後半戦は、まず伊東豊雄。20世紀を代表する建築家としてコルビュジェとミース・ファン・デル・ローエを出し、20世紀はコルビュジェの「都市空間の中での自然と暮らし」の時代。しかし21世紀はむしろミースの時代、「形を作らない」方向に来ているのではないか。

21世紀の東京は、表層だけの差異であって中身はほとんど変わらない建物ばかり。ここで本当に幸せに暮らせるのか。価値観を大きく転換して「ゆっくり、近くで、寛容」な世界に生まれ変わるべきだ。ところが、それに逆行する様な拙速な意思決定が多すぎる。

そして「新国立競技場」「豊洲移転」問題に言及。神宮内苑・外苑は、東京の中で残された数少ない「聖地」。それをグローバリズムで覆うようなザハ・ハディド案はいかん。中沢新一とかと共同戦線で対抗したが勝てず。しかしその後プランは、二転三転。うむ。

「築地」も今の日本にないエネルギーを持った場所。それを小ぎれいな「豊洲」に持って行くのはダメだ。むしろ「築地」を生かしていく方向性が重要。いずれの案件でも、自分の考えがなかなか受け入れられないもどかしさか。

その後、司会の五十嵐太郎も含め3人で。どの話も刺激的。日本の官僚主義・均質主義がダメだ、とかね。「水野さんみたいな経済学者は日本では少数派ですか」「2人だけです」。笑うしかない。

最早、成長戦略などあり得ない。どこぞの国のアホノミクスとやらの看板を早く外して、成長しない前提で仕事や生活を設計しなおさなければならない。そういう時代に我々は生きている。良い勉強になったね、酒飲みオヤジ。飲まないで帰りなさいね。。。

Dscn3670 Dscn3673

|

« 神奈川に遠征 大和「一丁目酒場」 | トップページ | 名古屋は暑かった! 【行きの酔っ払い篇】  »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/525756/65698986

この記事へのトラックバック一覧です: 対談「ポスト資本主義と建築」(安与ホール):

« 神奈川に遠征 大和「一丁目酒場」 | トップページ | 名古屋は暑かった! 【行きの酔っ払い篇】  »