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「吉田博展」(損保ジャパン日本興亜美術館)

2017/7/30(日)

吉田博? 誰それという感じのド素人オヤジ。家人が行きたいというので、お付き合い。正月に観た川瀬巴水同様に、新版画も手掛けた画家らしい。新宿の高層ビル群の一角にある「損保ジャパン日本興亜美術館」(長い名前だ 笑)へ。

明治から昭和にかけての風景画の第一人者で「山の画家」とも呼ばれていた吉田博。福岡県久留米の出身ですか。まずは若い頃の水彩画を中心として絵。この14才の時の習画帖のスケッチ、抜群に上手い。「浅間山」「雲叡深秋」といった水彩画。いいなぁ。

そして若くして、片道の旅費だけ握りしめてアメリカに渡った、と。絵をドンドン売って、ヨーロッパにまで渡る修行の旅。水彩の他に、徐々に油彩も。油彩も段々とイイ感じになっていく。これが、かの夏目漱石『三四郎』に登場する「ヴェニスの運河」の絵ですか。へ~。

日本画壇の頂に駆け上がった時期。この「瀧」とか「堀切寺」とかも好みだな。そして、山の絵。大作「穂高山」とか「烏帽子岳の旭」の素晴らしさ。山に登る事自体が好きで、高山に登って、じっくりと描いた、と。だから一般人目線ではなく、登山する人の風景。

この「バラ」の連作もレベルが高いなぁ。こんな画家がいたとは知らなんだ。更に吉田博は、画壇のトップに君臨するだけでは飽き足らず(一方で黒田清輝の一派との軋轢もあったようだが)、更なる絵の高み「木版画」という新世界に挑戦していく。

いや~。これが凄かった。川瀬巴水と同様に、最初は渡辺庄三郎の縁で木版画をスタート。そこから、あっという間にトンデモナイ傑作を残している。「米国シリーズ」の「エル・キャピタン」とか「モレーン湖」。流石は、かのダイアナ妃も自室に飾っていた版画家の作品。

そして、お得意の山の風景。「日本アルプス十二題」の「劔岳の朝」とか大判の「富士拾景」。水流の表現が素晴らしい「渓流」などなど。昭和初期には東南アジアやインドにも出かけて創作。

いや~。眼福、眼福。こんな作家がいたとはね。前後期で結構大規模な展示替えがあると。もう一度見に行く気にさせるレベルの高さ。絵は本当に一期一会やね。。。

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「吉田博展 山と水の風景」(損保ジャパン日本興亜美術館):~2017.8.27(日)

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コメント

(公財)損保ジャパン日本興亜美術財団(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)

投稿: 長い名前 | 2017年8月 6日 (日) 05時56分

名前をご教授いただき、ありがとうございましたm(_ _)m

投稿: 本読みオヤジ | 2017年8月10日 (木) 12時08分

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